あなたの個人情報とは何ですか?

衆院内閣委員会で、2002/05/17から個人情報保護法案が審議入りしたそうです。

「個人情報保護法案」とは、個人情報を継続的に利用する個人や企業が、本人の同意がない個人データを第三者に提供することを禁止する罰則付き義務規定。報道機関でも基本原則は適用され、調査報道や取材協力の妨げになる恐れがあることから、表現の自由や報道の自由が侵害されるとも指摘されている。

ニュースの感想

ニュースが報道機関に偏った視点で報じられているとの感想もあるのですが、基本的には「個人情報を他人に教える時は、本人に確認しなきゃダメだよ」という常識的な話です。常識とは言っても環境や状況に左右される微妙な話なので、今回は「個人情報に対する感覚」を例をあげて考えてみます。


まずは、個人情報の利用例(利用される例)として以下の2つを比較してみて下さい。

ある病院で予約をすると、事前に患者の病歴を調べます。
このため、初回でも持病を知った上で診察を行ってくれます。
あるレストランで予約をすると、事前に客の好きな料理を調べます。
このため、初回でも好みの素材や味付けを知った上で注文を聞いてくれます。

この2つの例は、共に業務上のサービスとして個人情報を入手しており、病院の例では、以前利用していた病院からカルテを取り寄せたのであろうと考えると「安心」して診察を受けられます。しかし、レストランの例では、どこから取り寄せた情報なのかと考えると「気持ち悪い」です。

逆に、不安を理由に病院を変えたのであれば、以前利用していた病院が提供する情報は参照して欲しくないはずです。また、あなたが好きな料理を公開を前提とした情報機関に登録しているのであれば、レストランの例は良心的なサービスとして受け取るでしょう。


では次に、個人情報の提供例(提供する例)として以下の2つを比較してみて下さい。

ある目的で特定地域全員の電話番号データを探している知人がいました。
このため、電話帳を入力しただけの一覧データを知人に提供しました。
ある目的で特定地域全員の電話番号データを探している知人がいました。
このため、その地域の電話帳を知人に提供しました。

この例が「同窓会名簿」「社員住所録」「顧客情報」だと意味が全然違いますし、金銭的な取引であれば検討するまでもありません。このため、特化された意味が少ない「電話帳」を例に使い、誰でも簡単に入手できる個人情報をタダで提供した例とします。

しかし、問題視されるのは「データ」として提供した前者の方です。内容としては同じ情報であっても、紙からデータとなっただけで悪用される危険性を感じます。(ちなみに、電話帳は居住区域以外でも購入できます)


誘導的な説明ではありますが、個人情報は似たような用途で使われても、利用者や提供者が誰かによって受け取り方が違い、同じ内容であっても情報の形状によって感じ方が違います。つまり、「個人情報とは何か」を定義することはできますが、「第三者が参照する事を本人が望まない個人情報」は、人によって感覚が異なるので定義できません。

文頭の「個人情報保護法案」の説明を偏見を込めて言うと、自分の事を他人に知られたくない人を守るために、多くの人に自分を知ってもらうことで当選した人が検討を始めた、真実であれば個人のプライベートまで報じる人が批判している法案です。もちろん、本来の目的は個人情報の悪用を防ぐためなのですが、それぞれの立場の方に「他人に知られたくない個人情報ってなに?」と聞きたくなる状況です。

そもそもの問題は、第三者にとって有益な個人情報は一般の情報機器(パソコン)で十分に管理できるほど小さなデータ量となってしまい、氏名・住所・電話番号程度であれば簡単に入手可能なため、その気になれば苦労もなく悪用できることが原因だと思います。ただし、それを言うなら犯罪の大半は実行が簡単な悪事です。技術の進歩によって検討が必要になった問題なので、現状では立場によって考え方が異なるとは思いますが、「その気」にさせない「個人情報保護法案」の審議に期待しています。