デジタルデバイド(情報格差)とIT教育

4月は入学・進学や就職・転勤のシーズンです。そうではなくても節目の時期ですから、何かを始めた方も多いでしょう。今回は元ネタがニュースではないのですが、学校教育で「情報」の教科が加わり、下火だった「パソコンスクール」も復活しているようなので、パソコン教育に関する私見を書きます。

家庭とパソコン教育

子供の将来のためにパソコンを購入した家庭で、妙な期待と不安を持っているのは例外なく親の方です。マイナーサイトに掲載されているこの文章を読んでいる方は該当しないと思うのですが、ごく普通の方は職場でワープロと表計算ソフト。インターネットと言えば、メールとデフォルト設定のサイトを見るくらい。同僚から聞いたURLを入力してエロサイトを見た事があればパソコンを使いこなしている方だと思います

パソコンに興味がない上に単なる仕事道具と考えている人から、子供の将来を考えてパソコンを購入した話を聞くと、本人には悪いと思いますが痛すぎます。テレビや新聞でインターネットに対する負のイメージを持っていながら、それに対する手段や方法は知らないでしょうし・・・。

しかし、高校の教科に「情報」が加えられる時代ですから、「興味がない家庭にパソコンは不要だ!」とは言えません。ただ、高度なパソコン知識を必要とする職業は限られる事を知っておくべきです。大半の職業では「職場の便利君」程度ですし、本人に興味や適性があれば子供時代からのパソコン経験は関係なかったりします。

人様の教育方針や子供の可能性について口を出す気はありませんが、子供に野球やサッカーの道具を与えた程度でプロ選手になると普通は考えません。クラブ活動の中で努力や協力を学んでくれればと思うくらいです。同様に子供がインターネットから「大人がダメだというサイトは行かない方が良かった・・・」と学んでくれれば良い方でしょう。

パソコンは道具ですから使い方が学習の基本だと思いますが、仕事の道具を子供に紹介するのが目的ではないでしょうから、親としての目的を考えて頂く事を期待しています。もちろん、情報教育を担当される先生にも期待しています。

デジタルデバイド(情報格差)

パソコンが一般に普及するためには、利用者がパソコンを使ってるという認識を消すことが条件です。10年前と比較すれば条件を満たしつつありますが、「初心者」という表現が残っている程度には認識が必要で、家電と考えるには問題があります。

実際、テレビやビデオはもちろん、あれだけ多機能な携帯電話でも「初心者」という表現はあまり使いません。ある程度の学習と経験が必要な道具として見るのであれば、教習所に行く必要がある自動車と同じです。だからこそ「パソコン教室」も消えそうで消えないのでしょう。

しかし、自動車とパソコンが決定的に違うのは、前者が自動車免許を持っていなくても「自分には不要だ」と判断できるのに対して、後者は使えない事に漠然とした不安や劣等感を抱く点にあります。パソコンで出来る事の大半は、これまで別な方法で行っていた作業を便利にしただけなので、利用を避けて通ることが可能だと思うのですが、仕事道具であることから就職や転職を考えている人にとっては大問題でしょう。

個人的には、パソコンを使えない人がホワイトカラーの仕事を望む時点で根本的な考え違いをしていると思うのですが、そういった考え自体が「デジタルデバイド」の本質だったりします。パソコンを家電と考えるには問題があるからこそ情報業界が伸びていると考えているので、誰でも使える機械が単純に素晴らしいとは言いませんが、少なくとも「初心者」という表現がなくなる程度には格差がなくなる事を期待しています。